出演:知立山車文楽保存会、わらべ座
 
 知立神社の祭礼である「知立まつり」は、初夏を飾る一大風物詩で、一年おきに本祭と間祭が5月2日、3日に行われます。祭りの歴史は古く、江戸時代(1653年ー「中町祭礼帳」)から続いており、山車の上で山車文楽・からくり人形芝居が上演されるのが特徴です。本祭は5つの町から高さ7m、重さ5tの5台の山車が繰り出されます。神舞と呼ばれる囃子にあわせ、家々の軒を圧するように順行するさまは壮麗そのもの。また、山車の台上で奉納上演される人形浄瑠璃芝居の「山車文楽」と「からくり」(国の重要無形文化財/かつては山車の上の段でからくりが、下の段で文楽が上演されました。現在は西町がからくり、山町・中新町・本町・宝町が文楽)は、ともに江戸時代から伝承されている情趣豊かな郷土芸能の粋です。

              
伊那の方言劇・仲仙寺と羽広の獅子舞
伊那の伝統演劇公演

地域における伝統文化は、各保存団体によりその保存・伝承がなされていますが、高齢化や後継者不足などにより、消えていくものもあります。こうした現状を踏まえ、地域の伝統のよさをアピールし、地域伝統文化の向上と活性化を図ることを目的として毎年開催しています。今年は伊那市との交流都市の愛知県知立市の知立山車文楽を迎え、伊那市長谷の中尾歌舞伎と2部構成で公演を行いました。

平成20年1月20日(日)

伊那の方言劇・仲仙寺と羽広の獅子舞
出演:中尾歌舞伎保存会、長野県伊那文化会館付属劇団南信協同

 中尾歌舞伎は天保、慶応、明治にかけて最も盛んでしたが、時の流れとともに演じられなくなりました。その原因の一つに、太平洋戦争を契機にわが国の社会構造が大きく変革したことが挙げられます。特に昭和30年代からの高度経済成長のあおりを受け、山村の生活は脅かされ、若者が都市へと流れ出していきました。山村特有の過疎化が始まったのです。中尾集落においても、当然この現象があり、若者は青年会活動の中で苦悩しました。そして、この時こそ先人の残した芸能文化を復活させ、生き生きとした地域を作ろうというすばらしい発想が生まれました。約40年の時が過ぎた昭和61年、幸い過去に上演実績を持つ、小松武志氏、西村清典氏に指導を仰いだ地域の若者たちが上演し、中尾歌舞伎は復活しました。また、「中尾歌舞伎保存会」を組織していくことが、山里の文化を伝えていくことであることを確認しました。初代会長に加藤智明氏が当たっています。平成8年には中尾座が完成。地域・村内外の同好者がこぞって声援を送り、伝統芸能として育てていきたいものです。